自然体でこれだし

「あの……なんでそんな難しいこと書くんですか」
「え、いや、別に難しいこと書いてるつもりはないんだけど」
「日記なんだからもっと気軽に、楽しいこと書けばいいじゃないですか……。そんなに日記が嫌いなんですか……」
「これでも気軽に書いてるつもりなんだけどなぁ。そりゃ確かに楽しいことは書いてないけどさ。でもここのタイトルに愚痴って入ってるくらいだし、元々日記のつもりもないし……」
「嘘ですっ! 本当はもっと気軽に、その日にあったこととか、洗濯物を干しながら空を見ていたら和んだこととか、その空の写真とか、窓から見える道を行く人のこととか、そういうのを書きたいはずです!」
「いや、『はず』って言われても。そりゃ確かに書きたいけど、そういうの書くの大変だし、一々憶えてなきゃいけないし。前に『料理作ったら必ず写真撮って日記書こう』って意気込んでやったけど、結局面倒だったし。日記苦手なんだよね」
「なんでなんです! なんでそんな難しいことばっかり! 普通に書いてくれてもいいじゃないですか……」
「いやだから、口調が固いのは単に偉そうなだけで、書いてあることも難しくも何ともない、適当にウダウダ考えてたことを推敲せずに書いてるだけの、なんてことない、まさに愚者の愚痴なんだよ。
 推敲もせずに書いた、読みにくい文章だから、一見堅苦しそうに見えるだけで」
「嘘ですよ! ちゃんと、楽しんで書いてますか? これ書いてて楽しいですか? 辛い思いをしてるのは、見てられないんですっ!」
「あーいや、信じて貰えないかもしれないけれど、書いてて楽しいよ。書きたいときしか書かないし。えーっとほら、オナニーみたいなもんだから。ストレス解消。たまった物を発散する場として利用してるわけで」
「またそうやって、わざと下品な言葉使ったりして、悪ぶって! どうしてそうやって自分をいじめるんですか! もう、もういいじゃないですか。もう、それ以上、自分をいじめないでください……わたし……ううぅ」
「あ、ちょっと、泣かないで。マジで楽しんでやってるだけだから。偽悪的なクズ野郎でドMでしかも超自己愛強いから、こうやって自虐的な言葉言ったり、わざと口調悪くしたりするの好きなの。ホント、ごめんね。でも、マジで大丈夫だから。好きでやってることだから。だから泣かないで」
「そんな、そんな。好きでやってるって。それじゃまるで私バカみたいじゃないですか……えぐっ……」


こんな感じで日記書くのを止められる夢を見た。

大丈夫僕は元気です。
ちなみに止めようとしてきたのは、時々僕の部屋に遊びに来る、家の裏のお墓に住んでる女の子です。
壁をすり抜けて遊びに来るチャーミングさんです。
この前オナニーしようとしてるときに遊びに来て、びっくりしました。

大丈夫僕は元気です。
頭の中はもうダメかもしれませんが。