身近に小説を読む友人が少ないので、あまり人から本を借りたりすることが無い。*1
それ以上に、直接人に本を貸して薦めるという習慣が無いので、人に本を貸すことも無い。
そんなわけで、僕にとって「本を借りる」とは、「図書館で本を借りる」と同義だったのだが、今日、珍しく人から本を借りた。


朝食を外で食べる習慣の無い自分が、珍しく朝食を外で食べることになり、ファミレスがあまり好きではない自分が、珍しく最寄りのファミレスに入り、外出時は大抵本を持ち歩いている自分が、珍しく本も何も持っていなかった、という、恐らく年に一度あるか無いかといったシチュエーションに、更に「人から本を借りる」という珍事まで付け足された。
ファミレスの朝食セットのような物をオーダーし、ドリンクバーで珈琲を飲んでいると、寒い我が家に帰るのが面倒になり、たまたま一緒にファミレスに入った人が持っていた本を借りて、自分は一人でそのまま二時間ほど長居して読破した。


借りた本は、乾くるみの「イニシエーション・ラブ」。
メフィスト賞受賞者だったので、それなりに期待して読んだら、「おいおいただの凡庸な恋愛小説かよ。まぁ嫌いじゃないけどさ。でもメフィスト賞受賞のミステリ作家らしいし、どっかでどんでん返しがあるんじゃないの?」ってな感じで最後まで。
最後の最後にようやく「あ、あー。なるほどね。そうなるのね」って感じで、気付いた後はページを戻って確認したりと、それなりに面白かった。


人から本を借りたり、本をよく読む友人に勧められたりすることが無くなると、新発見が無くなって困る。
一時本格ミステリにハマって読みあさってた時期があったが、今じゃその惰性で、当時読んでた作家の新作をたまに図書館で借りる程度。*2
新しくデビューした人の情報などが入って来ないから、取り残されるばかりである。
取り残されてついて行けないから、新しいのを読まない。新しいのを読まないから、ますます取り残される、と悪循環なのだが、まぁ本は図書館で借りてなるべく買わないと決めたわけだし、古典の分野ならそれで何も困らないので、いいか、と思ったりしちゃうから、どんどんオッサンになっていくわけで。


西尾維新とか名前しか聞いたことないけど、どうも若い人の間で流行しているようなので、近々読んでみるかね。

*1:昔は本を良く借りる友人がいたけれど、ここ数年会っていない

*2:基本的に五年前くらいから、停滞している。テレビ番組も、本も、漫画もゲームも