Yahoo! JAPAN20周年

20年前、僕はまだインターネットなるものに接続したこともなく、PC-98の英雄伝説4を秋葉原の中古ゲームショップで購入し、あまりの難度に投げ出した頃だったと思う。
鶴田謙二のパッケージイラストに惹かれ、親にねだって買ってもらった英雄伝説3。その続編ということで期待は高まるばかりだったが、当時の僕には難しすぎた。
英雄伝説4は長いこと放置され、当時の僕はブランディッシュVTをやり込んでいた記憶がある。
それから2,3年。KatmaiのPen3にMillennium G200だったかSavage4だったかで、必死にカクカクのウルティマ9を遊んでいた頃*1、56kモデムでようやくインターネットの海をサーフィンできるようになった。その後、フレッツISDNのサービス開始とともに飛びついて、イー・アクセスだったかのADSLに乗り換えて、TEPCO光にした時はpingの値に感動して……と、気付けばインターネット生活18周年位を迎えている。

Yahoo! JAPANの20周年には及ばないが、この18年で色々と「便利になったなぁ」「変わったなぁ」と思うことがある。
だが、使う側の意識はどうだろう?
正直なところ、ユーザーの意識としては、「変わっていない」あるいは語弊はあるが「退化」しているのではないだろうか。

ほんの十数年前まで、PCでインターネットに接続している人は世間的に見れば少数派だった。i-modeいわゆる「ケータイ」での接続もあったが、ケータイサイトとPCサイトは別々に作られていることが多く、ユーザー層が被ることも少なかった。
だが、インターネットが一般化し、今やスマホやケータイで誰でもネットサービスを享受できる時代になったことで、そのハードルは一気に下がった。
ハードルが下がるということは、ユーザー全体の意識やスキルの低下を意味する。
まぁ、それが悪いことかと言われると、便利なものがより便利になって一般化するのは当たり前のことなんだけど、「本当に便利になってますか?」という。
道具としては進化したけど、その便利さが発揮できていないような気がするのである。

嘘みたいな本当の話

なんで突然こんなことを書いているかというと、とある知り合いが、エクセルで作ったスケジュール表を印刷して写真撮影し、それをスマホで閲覧するという行為をしている*2のを見て、「うーん、なんか進化したスマホで便利になってるんだけど、このアナログ感はなんだろう」と思ったのがきっかけである。


月間予定表をPCでエクセルで作る→プリントアウトする→それをスマホで写真に撮って、持ち歩く


月間予定表をエクセルで作るのは、おそらくスマホを持ち歩く前からの習慣なのだろう。突っ込みどころではあるが、まぁそれはいい。
で、それをプリントアウトして閲覧するのも、スマホを持ち歩く前からの習慣だろう。それも、まぁいい。
問題は、なぜスマホを手に入れた後も、「プリントアウト→撮影→jpgファイルにして閲覧」という手間をかけているのか、という点である。


ニーズ「PCで作ったエクセルファイルを、外出先でも閲覧したい」
あるもの「WindowsPC、Androidスマホ、インターネット環境(当然メールアドレス等も)、microSDカード、USBケーブル、プリンタ、その他諸々」


この状況で、「一度紙に印刷した上で、それをスマホのカメラで撮影して持ち歩く」という選択になるわけである。


「んなの極一部の人の話だろ」と思われるかもしれないが、実はこれって、割と当たり前に転がってる話なんじゃないかなーと思うわけで。
要するにクラウドだのスマホでエクセルファイル閲覧だの、そういう「便利さ」を享受してる人の方が「極一部のパソコンとかデジモノとか詳しい人」であって、世間一般で見たら少数派なんだろうなぁ、と。


twitterやface bookですら、やってる人よりやってない人の方が多いし、ましてやソーシャルブックマークだのオンラインストレージだの、クラウドサービスをソーシャルメディアでバズってロングテールをウンヌンカンヌンなんて、ITやネット関係の人以外から話聞いたことねーもん。
DropBoxですら、使ってる人をリアルで見たことねーよ*3


と、なんか「意識高い系」の人が書くアフィブログみたいなのが、やたら増えたなーと思いながら、まだまだネットって過渡期ねぇ*4、と思うわけです。

*1:その後、Geforce2MX、Geforce3、Geforce4tiと、GPUを変える度に快適になっていった

*2:それも一人ではなく、複数名

*3:IT業界の人除く

*4:これ十年前くらいから言ってるな