未来

ジュリアナ東京なるところで、毎晩セクシーなお姉さま達がこれでもかと色香を振りまいて踊ってるらしい。昼間のニュースで流れちゃうくらいにブームのようだ。
なにやらJリーグというものが発足するらしい。ヴェルディマリノスアントラーズが凄いらしい。ラモスっておっさんはともかく、ジーコってあのジーコ? 凄くね? 他にもなんか凄い外人選手が、何故か沢山いた。
少年ジャンプはドラゴンボールだけじゃなく、スラムダンク幽遊白書なども連載が始まって、発行部数500万部を超える大人気だった。クラスでジャンプの話が出来ない男の子はいなかった。
1999年7月に恐怖の大王が降りてくるらしい。やたら話題になったけど誰一人信じてなかった。

あの頃、僕らの前には21世紀という名前の未来があって、その未来があと数年で手に入るという事実にワクワクした。
想像した未来はそう遠くなくて、手を伸ばせば届くところにあって、そこには未来の生活があって、未来の社会があって、そして未来の自分がいるんだ。


そして2005年10月5日。

思ったより21世紀は未来じゃなかった。
あの頃僕らは、21世紀になれば何かが、決定的な何かが『未来』に変わると思ってた。全てが未来になると思ってた。

『未来』がどうやら存命中には得がたい物だと悟った時、僕らはどうすればいいのだろう。
車は今日も排気ガスを出しながら地面を走っているし、地上から戦争は無くなってないし、ましてやその戦争ではいまだに歩兵なんて使ってるし、家事を全自動でやってくれるロボットも無ければ、かわりに働いてくれる機械も無い。
人類が火星に旅行に行くのはまだまだ当分先の話になりそうだ。