『優駿』読了

今更だが、人に薦められてはいたが数年間避け続けていた宮本輝の『優駿』を読んだ。
避けていた事に特に理由があるわけではなく、ただなんとなく「馬の話だろうから興味が湧かなかった」というだけである。
宮本輝自体は比較的好きな部類に入る作家なので、これまで何故読まなかったのか不思議なのだが、「人から薦められると避ける」という天邪鬼的性格が十分に関係しているのだろう。
何はともあれ読後の感想。良かった。面白かった。そしてこの小説に対し大いに勘違いしていた事に関して、薦めてくれた人に謝りたい。
薦められた時、『優駿』というタイトルから、競馬に深く関係した小説で、競馬にそれほど興味のない僕が読んでも楽しめないだろうという思いが大きかった。
実際に読んでみたら、確かに一頭のサラブレッドを巡る話なのだが、競馬というのはこの小説においてエッセンスではなく、他の宮本輝の小説と変わらぬ、宮本輝的とでも言うべき人間描写が核となっている小説だと感じた。
馬の血統も何も詳しくなく、友人に連れられ数回府中競馬場に行った事があるだけの人間だが、大いに小説として楽しむ事が出来た。
ついでにウイニングポストをやりたくなってみたり。