点と面

友人が都市部から郊外に転居するにあたり、今後都市部から郊外に転居する人の指針になる事を願って。

都市部における人の行動範囲が面であるのに対し、それとは逆に郊外では点と点を繋ぐ行動になりがちだと痛感する。
自宅からある店に向かう時にも、都市部ではその途中にも様々な店があり、またそれらの店を利用しているのに対し、郊外では目的の店までは何もない場合が多い。まぁそれが郊外の郊外たる所以なので、当然の事だが。
都市部では自宅と職場ないし学校の二つを中心とした面を主として行動範囲が形成されているのに対し、郊外では拠点が広い範囲に点在する形になるのだ。
今後都市部から郊外へ引越す場合、ここを十分に留意する事が必要であろう。
点在しているが故に行動半径は広がるが、交通機関は充実していないので、自然と車などを使う必要性が生まれる。すると益々面から点へとなっていく。
結果、都市部では放射状に広がる行動範囲が、線状となり、距離はあっても質としての面積は狭い行動範囲になる。
もちろん都市部においても、線条の集合が面となるのだから第一段階においての差異は無いように思われるが、問題は郊外においてはその線が面とはならない点である。行動半径が広まった分、密度はそれに比例して落ちているのだ。
これは個人の問題ではなく、純粋に郊外における店舗などの集積密度に関係する。

それが苦痛かどうかは、もちろん人それぞれである。幸い僕の場合、自動車免許もあったので、それほどの苦痛ではなかった。
だが、今現在僕は、最寄駅付近にある店舗以外を利用する場合に間違っても「歩いてお出かけ」をしようとは思わないし、一駅先の店舗を利用する場合は間違いなく車を使うだろう。純粋に距離の問題もあるが、家から駅前まで殆ど店舗がない状況では、歩いたところでまさに何もないのである。
その状況に慣れる事が出来るかどうか。それ次第だろうと思う。