読書

風呂場で本が読めるようになったというのは、とてつもない武器である。
これまでぼーっと入浴していた時間を、読書に費やせる。
だがこれにはかなりの弊害もある。
ターボがかかったかのように読書ペースが上がった。
こんなに読んでいたのは多分十代の頃以来、過去最高ではないだろうか。
何しろ読むペースが図書館に行って借りてくるペースを越えてしまっている。
これはいい事のように思えるが、僕の場合そうでもない。
何せ毎日毎日風呂場でなんらかしらの小説を読むせいで、じっくり反芻して読んだ本について考えるという事が出来なくなっているのだ。
現に数日前に読んだ優駿の馬主の名前を、既に忘れている。
とにかく風呂場でただでさえ頭がぼーっとしている上に、そこで大量の本を読むものだから、内容がすぐに頭から抜けていく。
これでは折角読んでいるのに、なんだか悔しい。

ひとえに僕の情報保持能力が問題になるだけなのだが、要するにインプットは格段に上がったが内容を吟味し記憶する機能が追いついていないため、右から左へ流し読みして感動してはいサヨウナラといった具合になっているのである。

沢山読めるのは嬉しいけれど、どうしたものか。
この読書スタイルに慣れれば、自然と処理速度も追いつくようになるのかね。