ベストセラー小説

大抵の読書家は、ハリーポッターのような本を、読んではいても認めてはいない。
ああいうバカ売れした本を、「まぁ一応読んでおくか」程度の気持ちで読んではいても、「こんな内容のないスカスカな本で喜んでるなんて、愚民ばかりだな」と認めないのだ。
だが、ハリーポッターシリーズが戦後最大級と言っても過言ではない程のベストセラー小説であることには変わりはないし、(海外小説だが)セールス面でみた場合の小説代表といっても差し支えないほどなのである。


さて、そのハリーポッターであるが、一巻あたりおよそ500万部ほど売れているらしい。
買った人が全て読んだとすれば、ハリーポッターを読んだ人は、日本に500万人もいるのである!
この辺で、読書家からの反論が聞こえて来そうである。
「500万人も読んだ人いるなら、マイノリティちゃうやん。立派なメディアやん」と。


アホか。これだから本を読むような奴は。
500万なんて、出版業界じゃ快挙だが、テレビ業界にしてみれば深夜番組程度の数でしかない。
あえて言おう。戦後最大級クラスのベストセラー小説すら、テレビの前では「カス」である。


例えば読書家がバカにしている、テレビのくっだらないどーでもいいような深夜番組ですら、視聴率5%程度はあったりする。
約1億3000万人の、5%だ。およそ650万人が見ているのである(もちろん視聴率調査の5%なので実数ではないが)。
これがゴールデンタイムともなれば、別格だ。
視聴率5%ですら、ベストセラー小説の出版部数よりも多くの人が見ているのに、視聴率がその4倍も5倍もあるゴールデンタイムの番組など、最早小説とは比べものにならない。


読書家よ。現実を認めよう。
「日本で戦後最大級と呼ばれるベストセラーの本(の出版部数)ですら、どーでもいい深夜番組の視聴者数に負ける」
「いわんや、ベストセラーにすらなれない、あなたが今読んでる本は、テレビでは放送するに値しないほどのカスである」
「小説のエース(ベストセラー)ですら、テレビの三軍並(深夜テレビ、あるいは打ち切り寸前の番組)である」