暗い小部屋からこんにちは

誰でもそうだと思うけれど、僕の中には誰にも見せていないつもりの、誰にも見せたくない部分がある。
街で騒いでいる女子高生だって、家に帰れば表情は変わるだろう。
街にいる時の自分と、一人の時の自分。それを意識してかせずにか、使い分けている。
近しい人、裏の部分を見られたくない人、そんな人が増えれば増えるほど、隠した顔を隠さずに済む場所は少なくなっていく。
やがて逃げ場はなくなって、隠す場所はなくなって、その時選択を迫られる。
このまま隠した自分を存在しない物にしてしまうのか、隠した自分を曝け出すのか。
少しずつ服を脱いでいくように、少しずつ、少しずつ日に晒していければいい。
その道程で失う物は計り知れないけれど、それは失うべくして失われる物なのだから。
そしていつか裸になった時にそれでも傍にいてくれる人がいるといいなぁ。