多重人格は普通じゃないし、少なくとも俺は多重人格じゃない

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50987332.html 多重人格って普通だよね?を読んで。
結構好きで、たまに読んでる書評サイトだったのだけど、あまりに「それどうよ?」ってことが書かれていたので言及。


まず初めに、多重人格なる病気・症状が本当に存在するかどうか(病気自体の存在を疑う意見もある)は、ここでは取り上げない。
多重人格障害、今で言う解離性同一性障害だが、これはリンク先で書かれてるような、「生易しい」状態じゃないし、批判されるのを覚悟で言えば、「とんでもなく異常な状態」であると思っている。


それは、「会社じゃこんなオレだけど、友達の前じゃ全然違う」とか「彼女と上司の前で全然違う自分」なんていうモンじゃない。
よくこういった「多面性」の程度問題として、多重人格が語られることがあるけれど、全く違う。
解離性同一性障害における「別人格」とは即ち「別人」とほぼ同義であり、「上司の前で怒られたことを思い出して、彼女に甘えてる自分」なんのはあり得ないし、「会社でのミスを思い出して友達の前でへこんでる自分」なんてのもあり得ないわけである。


もっといえば、「昨日エントリを書いた自分」と「今日エントリを書いている自分」が別人なら、「今日エントリを書いている自分」は昨日エントリを書いたことなんて覚えていないし、そもそもこのブログを書いているのが「多重人格の中の一人格」だとしたら、他の人格はこのブログの存在すら知らない可能性があるわけである。
(それどころか、別人格がネットサーフィン中たまたま見つけて「どっかのアホがブログ書いてるな」程度に読んでるかもしれない)


というわけで、俺は自分自身の多面性は自覚しているつもりだし、相手によって相当態度変える方だけれど(近年社会不適合者なりにある程度の社会性を確保したので、マシになったけど)多重人格では、決して無い。


dankogaiさんは、多分、「誰もが多重人格で、病気の人と一般人の違いは、ディソシエイティブかアソシエイティブかの差じゃん」と言いたいんだと思うけれど、これは「多面性」の問題であって、人格とは違うんじゃないの? と。


自身がリンク先のエントリで

寄生獣」の三木と後藤のように、はじめから別の「個体」が肉体を「乗り合い」しているというのはわかりやすいのだけど、私を含めほとんどの人にはこれはあてはまらない。

と言っているが、解離性同一性障害とは、まさに「三木と後藤が頭をすげ替えている」状態であり、俺を含め殆どの人はこれに当てはまらない。
即ち、「多重人格とは普通ではない」のである。


「別人を演じ分ける」のと「別人である」のとは違うっつーことで。

追記

そりゃペルソナくらい誰だって持ってるし、使い分けるのが普通だろうさ。
ペルソナの使い分けを多重人格と言っちゃうのは違うって話で。

さらに追記

http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20080119/p1
似たようなことを考える人はやっぱいるわけで。