嘘日記
こんにちは、こんばんは、おはようございます。 今日は七夕、棚機津女。風習は時代とともに風化し、人々の後ろめたさから神格化されたそれは、いつしか進んで本来の意味を失い、今では聞こえの良い物語とともに風習として人々に根付いています。 そう、あな…
ま、それとは別に現代語もきちんと使えないと困るんだけど。
月曜日、僕は図書館にいた。徹夜明けのまま、その日の内に提出しなければいけないレポートに、マイマイカブリのように必死に取り組んでいた。 火曜日、僕は図書館にいた。翌日の試験に向けて、ただひたすらにプリントの語句をノートに写さなければいけなかっ…
3月30日に行われたJBCスーパーライト級4回戦、沢山の応援ありがとうございました! みんなの応援で、なんとか勝利することができました!! 第3ラウンド、俺が左眉の上を出血しドクターストップかと危ぶまれましたが、続行。逆転KO勝ちに漕ぎ着けることが出…
十二月の晴れた日曜日、僕はいつものように、近所のスーパーに買い物に出かけた。 クリスマスを前にし、駅前にはツリーが用意され、商店街は電飾で彩られ、街はどことなく活気づいた雰囲気になっていた。 行き交う人々の顔も、幸せそうだ。日曜の夕方はいつ…
僕が徳仁と初めて会ってから、5年が過ぎた。 先日、ふとしたことから、徳仁の家に呼ばれた。相変わらずデカイし、ここに来ると小学校の遠足で北の丸公園に来た時、おやつのジュースにハチが入って泣いたことを思い出すから、少し嫌いだ。 「なるちん、突然何…
僕は子供の頃、大人になったら、パイロットになると思っていた。 僕は子供の頃、自分に子供が出来るとは思っていなかった。 今、僕はしがないサラリーマンというやつで、毎日決まった会社に出勤して、毎日決まったルートで家に帰ってくる。 今、僕には奥さん…
あれは丁度三年前、義父の葬儀から帰る時のことだ。 都内へ帰る車の中、僕は助手席に彼女を乗せ、重苦しい空気の中車を走らせていた。 亡くなったのは彼女の父で、彼女は葬儀の最中も、帰りの車の中でも目を赤くしていた。 僕はといえば、こんな時にどういう…
「構成練るだの推敲するだのを、人並みにやることもあるけれどね、大抵は勢いで書いてるだけなんだよ」 二杯目の日本酒に口をつけながら、彼はそう嘯いた。 「はぁ、そうなんですか」 僕としては、こう答えるしかない。 なんて運が悪いんだろう。たまに一人…
やあ、こんばんは。 久しぶりに見に来たけど、ようやくアクセスが落ち着いて来たみたいだね。今、一日どのくらい? へぇ、それじゃ前と全く一緒だね。 ホットエントリの効力は1週間っていうのは、本当だったわけだ。 といっても、君の場合、そのアクセス数…
誰が読むんだって話だけど、昨日の続き。
その依頼者が来たのは、丁度僕が先生と、今年のチャンピオンズリーグの優勝チームがどこになるか、議論を交わしている最中だった。 先生は、サッカーの話をしている時に邪魔が入るのをひどく嫌うので、僕は内心「ああ、タイミング悪いなぁ。また先生の機嫌が…
久しぶりに仕事が早く終わったので、帰り道、買い物をしてみた。 会社から駅までの、三十分ほどの道のりを歩いて帰り、途中にあるハナマサと薬局で、食料品や日用品を買って帰った。どうやら私は、ウインドウショッピングは好きではないけれど、日用品やスー…
「あの……なんでそんな難しいこと書くんですか」 「え、いや、別に難しいこと書いてるつもりはないんだけど」 「日記なんだからもっと気軽に、楽しいこと書けばいいじゃないですか……。そんなに日記が嫌いなんですか……」 「これでも気軽に書いてるつもりなんだ…
朝起きると、既に家を出ていなければいけない時間だった。といっても、30分寝坊しただけだけれども。 僕は寝起き姿のままキッチンへ向かい、薬缶でお湯を沸かした。ここで慌てて出かけ支度を始めるのは、クールじゃない。おそらく――いや、ほぼ完璧に近い形で…
[嘘日記]は気分転換にお奨め 二年ぶりの『出勤』は、二年ぶりの実戦となった。 向こうは二機。こちらも同じく二機。おそらく、偵察に来た奴とたまたま鉢合わせしてしまったのだろう。 数が同じなら、腕がある方が勝つ。 二年のブランクが少しの不安要素では…
二日連続、家に帰ると消したはずのトイレの電気が点いていた。 「昨日の夜消したのに何故?」 自問する。 いつ点けたのか。 昨日も今日も、朝はトイレに入っていない。夜消したら、その後点ける理由がない。 一度出かけたら夜まで戻ってこない。 そして夜、…
だけど彼女は喜ばなかった。 「何か別の目的を持って行ったことは、その時点で既に意味のない行為ではないわ」 彼女は言う。 僕にはやはりよくわからない。彼女の言う言葉の意味がわからない。 「目的を持った行為は意味のない行為ではない。意味のない行為…
「高尚なものが好きなの」 彼女が言った。 「高尚なものって?」 僕が尋ねる。 すると彼女は振り返り、水が流れるような声でこう言った。 「意味のないものよ。意味がないから高尚なの」 僕にはよくわからなかった。 「そうかな」 「そうよ」 「そういうもの…
え、まだ車とか乗ってるんですか。何のために?移動にかかる労力を考えたら無駄でしょう。あなたが会社にいても自宅にいても、出来る事は変わりませんよ。自宅から会社のサーバーに接続して仕事をすればいいだけです。ああ、観光ですか。なら自宅から観光協…
耳鳴り/チャットモンチー 2006年度、僕にもっとも衝撃を与えたアルバム。 有線放送とかラジオとかで邦楽を聞き流していて、ふと流れてきた曲聞いて「え、これ誰よ?」と思って、もう気になって気になって後から調べて即購入しちゃうって感覚は、随分久しぶり…
キャッチボールには嫌な思い出がある。 僕には子供の頃、あまりキャッチボールをした記憶がない。外で遊ぶよりは、一人で黙々と本を読んでいるような、そんな子供だった。例えば親戚の家に一日預けられたとき、大抵の叔父叔母が「いい子ね」と言うような、そ…
はじめまして。突然のメールでごめんなさい。驚きましたか。それともちょっと気味が悪いと思っているかもしれませんね。誰だって、知らないアドレスから突然メールが来たら、警戒しますよね。でも怖がらなくて大丈夫です。私はただあなたにメールを送ってみ…
自分が書いたものを、この日記以外も含め読み返していると、主に三種類に分かれている気がする。 負の感情が外に向かってるか内に向かっているか、もしくは他愛のない話か。 内向的なのか外向的なのかと問われると返答に困る。篭る時は物凄く篭るけれど、人…
あまり面白い事では無いけれど、私は殺意の香りとでもいうような物を感じ取る事がある。街を歩いている時、電車に乗っている時、ふと漂ってくる強い香水の香りのように、それは私の鼻先を掠め、漂っていく。 初めてそれに気付いたのは、私が小学生の頃、父が…